11時頃に突発的に浮かんだはいいけどその後寝たら執筆ペースががくんと下がったブツ。
新年ネタと言うことで途中まででも正月ムードの残っている内に載せます。
・ハウエンクア×ディー
・当サイトの設定大前提
・まだディーがハウに従ってた頃なのでディーが敬語です。
以上を頭に入れた上どうぞ。
つづきはこちら
1.
建国後の歴史も浅いクンネカムンでは、年の瀬と明けをまたぎ祭典が開かれる。
意図としては虐げられてきた今までと大いなる父の加護による平穏を説き、
民の心を一つにするというもの。
効果があるのかもどうか解らない…が、続けられているということはそう思っている者もいるのだろう。
日頃は皇やそれに仕える者でなければ立ち入れない城内がその時ばかりは開かれ、
民衆との垣根が取り払われる日…でもある。
祭典の始まりは皇、大老、そして侍大将など、国の要人達が民にねぎらい、そして
感謝の言葉をかけることから、なのだが。
パーン、パン、パーン。
祝杯の音頭と歓声は、遠く離れたこの場所にも届いた。
「ああ、始まった。ここも中々いい場所だねぇ。
見てごらんディー、浮かれてる連中が一望できるよ?」
「…行かなくてよろしいので」
窓際で杯を片手に手招きすると、傍らのディーがいつも通りの静かな声で問う。
「行く?どこに?」
「……クンネカムンの年の瀬と明けにある祭典は、
その一年を無事に過ごせたことへの感謝を大いなる父に捧げると共に翌年の加護を
祈り、身の回りの者や目下の者、そして皇とお互いに感謝と労いを贈りたまう、
臣民にも皇にとっても最重要とされている行事…と、私にお教えしたのはハウエンクア様だったように思いますが」
「異教徒なのにそこまで覚えてるなんてえらいじゃないか」
一度言ったきりの台詞を淡々となぞられ、内心感心しながらも白々しさを崩さぬまま茶化すように言う。
通常自分が信じているものをからかわれれば心外するところだろうが、ディーは別に気を悪くする様子もない。
出会って以来彼は自分に気安く接したことはないが、それは別に忠義や恐れといったものからでないことは知っていた。
丁寧ではあっても懇願や慇懃ではない事務的な対応。肯定も否定もしない、その態度が気に入っている。
「…学者は知識に携わるのが仕事です。貴方のそれは、そこにあるのではありませんか」
「まぁあるにはあるけどね?
お子様の皇さまと一緒に壇上に上がって長々と心にもないこと言ってそれを馬鹿正直に信じる民を
散々心の中で嘲笑った後飲み食いをするというとても有難くて貴いお仕事が」
題目こそ大層なものの実態は過去自分達の大神がやっていたという宴、というにも憚られる飲み会である。
皇さまのお話大老のお話侍大将のお話その他側近のお話、乾杯して芸して飲んで食べて。
シメにまた皇さまのお話大老のお話侍大将の(略)。
しかも隠し芸とやらは勅命で側近全員の義務だったりと何が面白いのかも解らない行事だ。
同僚に言わせるなら『臣民との境をなくす為の重要な云々』だが、端的に言うならアホらしい。
なんだ液体調味料一気飲みって。死ぬだろ。
「仕事の貴賎はどうあれ、将がいなければ民の士気も下がるでしょう」
「クンネカムンの侍大将は二人いるよ。面倒な演説のたぐいなんかはもう一人がやってくれるさ」
こういったことの積み重ねで嫌われていくんだなぁとは解っているが改める気はない。
だってヒエン怒らせるの面白いし。
「…………」
いつも通りの無表情に呆れといったものが混じって見えるのはこちらの考えすぎが八割、その通りが二割。
つづく。
今回はここまで。
しかしディーが敬語って激しく違和感です。誰ですかあなたって感じだ。
拍手ありがとうございました!