他ジャンルに挑戦してみよう第一弾~学園天国パラドキシア・日下部一成×坂上練司。
小咄なのに長くてしかも続くっていう。
本当は別ジャンルで書いた奴を載せるつもりでしたが間を開けるのが嫌なので次に回します。
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「日下部、」
廊下を歩いていたら坂神に呼び止められた。
普段なら自分達がちょっかいを出さない限りは極力関わりを持とうとしないものを、珍しいこともあるものだ。
「ああ…何か用かな、坂神くん?」
そんなことをちらと考えながら外面用の笑顔を浮かべて柔らかく尋ねる俺に、坂神は何やら気まずそうな表情で見返してくる。
いつもなら自分や相棒のそんな態度を大層気色悪がり、心底嫌そうな反応をするはずなのに。ますますもって珍しい。
これはまた何か霊がらみで厄介なことでもあったのか、と、内心思いつつ坂神をじっと見ていると、当の本人が沈黙に耐えかねたのか、意を決したように口を開く。
「あ…そのだな」
「…?」
何やら言いづらそうにそう言いかけ、再び訪れる沈黙。
そうして坂神は散々躊躇った後、蚊の鳴くような声でこう言った。
「…や…ゃぉぃ……とやらについて、教えてもらえないだろうか…」
眼鏡飛んだ。
「なんでやねん」
動揺のあまりめったに使わないストレートなツッコミの台詞が出る。
七緒と一緒なら「ちょっと奥さん聞きまして? 坂神くんったらそういった趣味をお持ちのようでしてよ」「おぉ怖! 最近の若者の乱れた性は恐ろしいですわ」などと某お嬢口調ででも散々おちょくれようが、半ば停止状態の頭では気の利いた台詞がカケラも浮かばない。
というか、幻聴か…あれは。
坂神の口から聞くには相当にそぐわない単語が聞こえたが。
「え…? なんだお前、そういった趣味に…? え?」
「ち…違う!」
片言にそう聞いてくる俺に叫ぶ坂神。
俺がいつものふざけた顔でなく至って真顔ということにかなりの危機感を感じたらしい。
それからいつになく必死の坂神から事情を聞くこと数分経過。
「なるほど。腐女子の幽霊か…」
「…ああ」
爆弾発言の元凶にようやく得心がいった俺に、坂神は赤い顔でこくりと頷く。
当然のことながらいつ誰が通り掛かるとも解らないので小声だ。
なんでも女子寮に夜な夜な現れ嫌がらせをするその霊に、坂神がヤオイ漫画を描いたらそれをやめるようにとの約束を勝手に交わされたらしい。
「…約束した以上は、描かなければならないと思うんだが、何分俺は漫画というものが苦手な上…、その、…ゃぉぃ…とやらがまったく解らなくてな…」
台詞の一部分で坂神の羞恥で赤い顔がますます染まる。
こいつの口から聞くとその言葉が何やら小難しい専門用語か何かのように聞こえるのが不思議だ。いや、実際専門用語なんだが。
「…それで俺に教えてほしいと?」
「…ああ。日下部と塚路はそういった本を出したことがあっただろう? 教えてもらえると…その、助かるんだが…」
そう問うと反らしていた瞳をこちらに向け殊勝な態度で頼む坂神に、感心というよりむしろ呆れを覚える。
男子高校生が描いたヤオイ本とやらがその霊のお望みなら、その通りこの間俺達が悪ふざけで作った本でも十分だろうに。
それを代わりに見せるから貸してくれ、という話なら解る。
多少の小狡さがあればすぐに思いつく話だ。
そいつを、大真面目に自分で描こうとして、しかも敵である俺に恥を忍んで聞きにくるとは。
「………」
…しかし、たぶんそんなことは考えもしないんだろうな、この馬鹿がつくほど律儀な男は。
「日下部?」
沈黙する俺に若干不安を感じたのか、坂神が俺の名を呼ぶ。
日頃はめったにないその弱気な顔が、ふと俺の悪戯心を刺激した。
「…教えるにしてもここではな」
「…いいのか?」
呟きに恐々と聞き返す様に、にこりと作りものでない笑顔を浮かべる。
「別に構わない。…場所を変えるか」
恥じらいはそのままながら助かったという風に頷く坂神は、不幸にも何も気付いていないようだった。
続く。
次はえろ…かどうかは不明。
ミカベルのノリを再現することは最初から諦めております。
前々から練司は受けだなあと思っていたんですが先月号でついに落ちました。
学パラはホモなら不動の守×練司か聖&練司、聖→耕平がいいと思う。
不動の守×練司とは言っても一成×練司が主流なのは本編で一成のちょっかいが凄すぎるせい。
キス寸前が2回と姫だっこが本編であったんだぜ…。
ノマカプは本編が一番萌えるので特に自分で書くことはないかと。
拍手ありがとうございました!